『おしえて!唯子先生 【エッチ】を覚える大人の性教育レッスン!!』レビュー

点数ブランドプレイ時間
80点SQUEEZ約10時間
シナリオ
伊藤海、骸坊主
原画
あらいぐま
紹介サイト
おしえて!唯子先生 【エッチ】を覚える大人の性教育レッスン!!
備考
・『瑞本つかさ先生の【エッチ】を覚える大人の性教育レッスン!!』のファンディスク

物語性を排して、性教育ツールとしてテキストを割くことにより、知識欲を満たすという楽しさを提供するというユニークなコンセプトが前作の肝であった。それを受けて本作は、前作の制限されたコンセプト故に完成した魅力的なヒロインである寺川唯子先生とのゆるやかな日常描写を追加している。

はっきり言って、前作において頭ひとつ抜けて完成度の高いキャラクターである唯子先生だけを引っ張ってきたという時点で、最低限の面白さは保証されているというものだ。

ここで改めて唯子先生がなぜ魅力的なのかをざっくりと説明しよう。彼女はツンデレ、猫耳、絶対領域……と、とにかく多くの萌え属性を詰め込んだ足し算で構築されたキャラクターなのだが、前述した通り物語性を排した性教育ツールというゲームの性質ゆえに、足されまくった属性と矛盾が生じない。これを言い換えてしまえば、バックボーンが希薄で記号的な「かわいい」だけで作られたキャラクターと揶揄されるかもしれない。しかし、そんな彼女がゲーム内容から要請される役割は、主人公(=プレイヤー)に様々な性知識を教えるというナビゲーターである。ナビゲーターの第一義とは、対象者を目的とするところ(ここでは性知識のマスター)へと導くことであり、そのための一番の近道は直接的な言動でもって情報を与えることだろう。そこではナビゲーター自身の深淵なバックボーンはかえって邪魔になる。従って、「かわいい」が性と密着した関係にあるエロゲーという媒体においては、バックボーンとは関係なしにひと目で「かわいい」を知覚させることができる萌え属性の集合体である唯子先生のようなキャラクターが、ナビゲーターとして理想的といえる。以上のように、ゲーム内容と合致したキャラクターという意味での完成度の高さと、そのまま「かわいい」要素の塊としての存在感こそが、唯子先生が魅力的であることの理由となるだろう。

……とにかく、すでに完成されている魅力的なキャラクターが、前作では作品の性質上与えることの出来なかった日常描写を引っさげて再登場するというところに本作の意味の大半がある。

もちろんその日常描写も、彼女の詰め込み過ぎた各属性と矛盾の生じないように、他愛もないものとなっている。例えば、はじめは料理下手だった唯子先生がみるみると料理の腕前を上げていくという描写は、唯子先生に健気な努力家であるという「かわいい」を付与する。そのイベント自体は確かにくだらないものかもしれないが、そもそも前作ではその程度の日常描写すらいれられなかったのだ。ファンには嬉しいサービスである。

本シリーズの肝である性教育パートは、一部は前作からそのまま流用されたものもあるが、全体的にみれば前作以上に一講義ごとのテキスト量を増やして頑張っている。これを目当てにプレイしても、前作通りに満足できるだろう。

ここまでで、唯子先生というキャラクターを中心として本作の良さを語ってきた。だから、最後にこれだけは言っておかなければならないだろう。今回追加された新キャラクターである幼なじみ・河合瑛子はいらなかった。私が言いたいのはただそれだけだ。


【関連リンク】
私が唯子先生に萌えるということを”客観的”に語る

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