『てにおはっ!~女の子だってホントはえっちだよ?~』レビュー

"脂身たっぷりでちょっと握りの雑な大トロ"

点数ブランドプレイ時間
65点rootnuko+H約10時間
シナリオ
真砂あつき、はちみつくん、川石幸宏、広穂
原画
アマクラ
紹介サイト
てにおはっ!
備考
 

てにおはっ! つまり「助詞」……か?

主人公である飯泉 宏人はこれといった特技のない面倒くさがりな凡人。思春期の男子生徒らしく、日々悶々としたものを募らせている。そんな彼が作った(作らされた)「知的文化学研究同好会」には、彼を含めて5人が所属している。

・主人公とは腐れ縁の女友達で同級生の姫川 絢美
・主人公に「知的文化学研究同好会」を作らせた破天荒な先輩の響 七瀬
・新入部員で毒舌、性格に問題有りのボッチな後輩の楠木 末梨
・男の娘、江坂 春木

春木以外の三人が攻略対象ヒロイン。特に、センターヒロインである絢美には通常ルートに加えて「エロ堕ちルート」が用意されており、一人で全ボリュームのうち40%を占める。

和姦エロ特化な本作の特徴は全体的な変態性の高さにある。放尿、腋コキ、アナル責め、野外露出……などなど、個々のプレイ自体のハードさはもちろんのこと、女性上位の責められプレイ・言葉責めの熾烈さや、味や匂いといった五感に強く訴えかける描写など、引くか引かないかで言えばギリギリ引いちゃうレベルの下品さがポイント。

そんな下品な変態プレイが主軸の作品において、キャラ立ちという点ではかなり地味な「普通の優等生」である絢美をセンターヒロインに置いているのは興味深い。

というのも、残り二人のヒロインである七瀬、末梨の両名はいきなり変態プレイと洒落こんでもさもありなんといった感じの頭のネジがぶっ飛んだような強烈なキャラ付けがされているからだ。この二名を差し置いて絢美がセンターヒロインなのは、普通の女の子が周囲の初めからド変態なヒロインたちに負けず劣らずの変態プレイに耽溺してしまうエロスを描こうとしているからだろう。

この変態方向を決定づけた最大の要素は、何と言ってもアマクラ原画によるこれ以上無く肉々しい絵である。快楽に溺れたトロットロな表情のニュアンス。乳の絶妙な垂れっぷり、乳首のくっぷり加減、大陰唇のぷにぷに感、太ももの挟まれたさ、そしてどんなシチュでも徹底して汗まみれな肢体などなど……筆舌に尽くしがたい。

多少の整合性や見た目の崩れも恐れぬ思い切った肉感重視のデフォルメが醸し出す良い意味での下品さを、ゲーム自体が体現しているといえる。従って、アマクラ絵に惹かれたならば一定の満足は確実に得られると断言しよう

一方で、回転寿司よろしく絶え間なく濃厚エッチシーンに終止する構成上、各ヒロインのキャラクターの掘り下げは弱い。そこが本作の欠点といえるだろう。特にセンターヒロインである絢美は先述した「普通の優等生」と変態エッチのギャップ以上のキャラ萌え的な工夫がなく、元々強烈なキャラ付けがされた他のヒロイン達と比較してどうしても印象が弱い。

また、エッチシーンの合間の数少ない日常描写をコメディタッチで描いているのだが、そこでのギャグの滑りっぷりは事前に覚悟したほうが良いだろう。とにかく、イケてないパロディネタをテンポ悪くひけらかされるのだ。

その寒さを象徴するシーンとして、主人公と七瀬が某有名カードゲームモドキで所謂デュエルをするシーンがある。そこでのシュールな笑いを狙ったであろう意味不明なカード名を、CV民安ともえが原作アニメに寄せた過剰な演技で叫ぶ様は「もう勘弁してください」と懇願してしまうほどキツかった。

加えて、男友達ポジションに当たる山田・ガーファンクル・義男は登場する度にゲンナリしてしまった。触手に対する異常なこだわりを持つという残念イケメンなキャラクター造形だが、ここでも突飛さばかりを狙ったギャグ台詞の数々が寒くて、結果触手へのこだわりすらも感じられないし下手に茶化されてるようで触手好きとしても不快なキャラクターとなってしまった。

以上のキャラクター描写周りの減点と濃厚過ぎる変態嗜好の味付けにより、プレイ中はかなり使えたエッチシーンも早く飽きが来るのではないかとクリア後の現在危惧しているが……はてさてどうなることやら。

システム面では射精までのカウントダウン表示や、射精選択肢の事前選択など、抜きゲーとして気の利いた機能が多数用意されており文句なし。「Hシーン作成モード」など需要がどれほどあるのか不明なデカい機能を実装しているあたり、不器用な頑張りが感じられて好感をもった。

「変態」といったコンセプトを満たすべく環境を整え、エッチシーンもこだわりの感じる下品さで良い仕上がりだっただけに、非ヒロインキャラを含むキャラ造形とそれに伴うエッチシーン以外の繋ぎのシーンに作りの甘さを感じずにはいられない。個人的な結論としては傑作になりそこねてしまった佳作といったところだろうか。

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