VRとアダルトの親和性や如何に? – アダルトVR交流会に参加


次回のアダルトVRフェスタは?

主催者側にとって、今回の交流会の目的は第二回アダルトVRフェスタの告知だろうからまずは最初に。

ずばり、次のツイートの通り。


日本アダルトVR推進機構アダルトVR友の会が主催するアダルトVRフェスタ

第一回に当たるアダルトVRフェスタ01では多数の人が殺到したため中止となった。

そこで第二回はより大きなキャパの会場で、チケット制で行うということがすでに告知されていた。

今日の交流会ではひとまず日付が公開された。やはりアダルト系のイベントということで、ある程度のキャパを持つ会場を確保するのは大変とのこと。


アダルトVR交流会 レポート

というわけで交流会自体のレポートとなる。

2016年7月16日、午後6時スタート。場所はとらのあな池袋店Bのイベントフロア。イベント参加者は会場である8階まで階段で移動するよう協力してくれということで、入場前からいきなりアダルトVRという壁の厚さを体感した。

会場では複数のテーブルに料理と飲物が多数用意されており、まさに交流会、立食パーティーといった趣。

アダルトVR友の会の創設者・サメジ部長の開会の挨拶もあっさり。面白かったのは会場の注意事項として、上の階が予備校の自習室だから騒ぎすぎないようにという点。学徒の下で最新エロテクノロジーについて語らうだなんて、なんて悪徳的なんだ……!

参加人数は100人ほどだろうか。男女比は当然ながら圧倒的に男性が多め。下の階のとらのあなは女性向けの店舗なのでアウェー感を抱きつつ、腐女子の上で最新エロテクノロジーについて語らうだなんて、なんて以下略……!

各参加者の立場は、私がお話した範囲ではVR関連の技術者や、実際にVR関連メディアに関わっている方、アダルトVRが実際にビジネスになるかを見極めようと名刺配りをする方や、アダルトVRに興味の視線を向けるコンシューマーなど多種多彩。

私も色々な方とお話し、意見交換ができた。その中での出来事や話題、それらに関する私の考えをピックアップして紹介したい。

VR体験は楽しい、VR体験をする人を見るのも楽しい

参加者の中には実際にVRデバイスを持ち込みしている方が複数おり、実際にアダルトコンテンツの体験をさせていただいた。

360度カメラで撮影されたアダルトビデオを実際にGearVRで視てみた。やはり、新しい技術を用いた初動的な作品は「その技術らしさ」を過剰に強調したものが多く†01、VRもその例に漏れず「VRらしさ」を強調した映像に仕上がっていた。

キーワードは「近い」である。私が視せていただいたものの一つはこのシリーズの映像だが、女優さんが過度にカメラ=私に顔を近づけて話しかけてくると、まるで本当に目の前に居るような錯覚を覚える。さらにその女優はVR内で仰向けに寝た視線となっている私の上に跨るのだが、そこで視線を上に向ける、すなわち仰ぐことによって初めておパンツ様をお目にかけることができるという演出なのだ。ありがたや~。

そんなワケで、公共の場でなければ股間に手を伸ばしたくなる愉快な体験なのだが、この体験を外から眺めるともっと愉快なのである。

VRに没入している間は外界への視覚を奪われたまま完全に無防備で、VRゴーグルを顔に嵌めたままキョロキョロする様子は(現在のところは)どうしても滑稽に見える。

しかもそれで視ているものがアダルトコンテンツとなるとなおさらだ。とにかく口を半開きにしたままローアングルから視ようと必至になってしまうのである。この姿はあまり他人に見せたいものではない。こういった同好の士が集う場でもなければ相当キツい絵面である。

その姿を見た上で語られたのだが、これは実家住まいだと楽しむのは厳しいのではという意見が出た。

エロゲーやAVならば(母親がノックをしてくれる程度の常識さえあれば)ある程度ごまかしが効くエロコンテンツだが、VRを楽しんでいる間はまず間違いなくノックに気づけない上にビジュアルがキツい。「ババァ!! ノックしろよッ!!」と怒鳴る暇すらないのである。

私なんかは精一杯エロゲーを楽しみたいという理由だけで一人暮らしをしているので、アダルトVRコンテンツなんて益々実家では不可能である。みんなも一人暮らしを始めよう。

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VRが既存のアダルト産業を置き換える?

この場に集った人の多くは、「VR+エロで一体何が出来るの?」という問いを模索したいという目的が多かれ少なかれあったことかと思う。

すでに現実性を伴わないまでも様々なアイデアを抱えた方もいて、この点に関してはまさに「意見交換」として空間が機能していた。

第一に、箱物施設としてのVR風俗店という発想。視覚・聴覚をVRに委ねるが故にルックスを要求されない風俗嬢がVR映像に合わせて乳首責めやオナホコキをするというアイデア。この発想の悪魔的なところは、別に実際に客に処理を施すのが(バレさえしなければ)女性でなくても良いという点である……!

第二に、アダルトビデオの拡張の方向性としてのVRという発想。ただ、これについてはネガティブな意見もあって、普通に映像としてのみVRを活用しようとするとセックスのインタラクティブ性、つまり「私が腰を降るから女優が感じる」というVRらしい楽しみ方を実現するのが難しいのだ。

一部前戯や騎乗位など、男優が何もしない受動的なプレイならばただシコればOKなので、VRAVとしてはしばらくはそちらの方向に振れるのではないだろうか。

また、現実的にビジネスを考えると、VR活用を考えた映像作成は通常のそれよりも撮影・編集のコストがかかるため販売価格がどうなるかという問題もある。もちろん動画の容量も大きくなるためここ数年で大きな市場となったDL販売網でもサーバーコストの増加は免れない。

これら様々な要因から、単純な映像作品としてのアダルトVRについてはすぐに限界を迎えて普及は難しいのではないかと感じた。

第三に、VRエロゲーという発想。私がエロゲーファンということもあるが、やはり可能性としてはこの分野が一番大きいように思う。特に、インターフェースの工夫でカメラ視点の自由な切り替えや、映像作品では難しいインタラクティブ性を擬似的に再現しうるアダルト3DCGのVR適用というジャンルが一番熱いだろう。

特に悪魔的発想だと感じたのは実在の女性を3Dスキャンすることによる身近な女性との擬似セックス! 確かに究極的な夢ではあるけれど、おいそれどうやって3Dスキャンするんだよ!

しかしそこから発想を進めるうちに、『カスタムメイド3D』シリーズのようなカスタム系3Dモデル作成ゲームをプラットフォームとして、人気キャラクターのモデル+特別仕様の音声を公式配信するというビジネスモデルの話も出た。VRにより「擬似セックス」の夢が推し進められればこの手の需要とビジネスモデルの成立はありえるかもしれない。


まとめ

この場で行われた対話を経て思いを馳せずに入られないのが「少子化」という危惧すべき社会現象である。

VRを用いたオナニーが、いよいよ現実の女性との性交渉よりも魅力的だと判断されたとき、はたしてヒトは生殖活動を続けられるのか。

まあ、そのときは男女互いにVR世界に入ったまま映像を同期させて視覚・聴覚的には理想の男性/女性とセックスするというディストピア未来図が思い描けなくもないが……。

とにもかくにも、アナタが最初にアダルトVRを体験した後の第一声を予言しよう。ずばり、これだ。

「これは少子化が進みますね……」

脚注

脚注
01例えば近年の3D映画における『アバター』が典型。ほぼ全編に渡って3Dで観ることを前提とした画面構成で撮影・編集されており、最新技術による3D映画流行の旗振り役を務めた。余談だが2016年は「VR元年」と言われるが、2009年の年末に『アバター』が全世界一斉公開された翌年である2010年は「3D元年」と言われてたことを思い出す。
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