『虜ノ雫~夏の豪華客船で穢される処女たち~』レビュー

"長期の船旅には何らかのイベントが必須である"

点数ブランドプレイ時間
45点Guilty約10時間
シナリオ
神無月二トロ、藤枝卓也、若葉祥慶
原画
さいもん、みずゆき、ひなづか凉、竹森真太郎、成瀬クリスティアーノート
紹介サイト
『虜ノ雫~夏の豪華客船で穢される処女たち~』
備考
購入者特典『男たちにひたすら蹂躙され尽くすパッチ』のDL期間終了済み

なるほど大型クルーズ船という舞台は陵辱劇に向いている。アルバイトとして従事するヒロインの服装はもちろんセーラー服を模した可愛い制服で、船内イベントと銘打ってアイドルや音楽家、カジノディーラーといった属性のヒロインを投入でき、そしてなんといっても海上故にヒロインたちに逃げ場はない。

『虜ノ雫~夏の豪華客船で穢される処女たち~』は女性主人公視点による陵辱を描く「虜」シリーズの4作目。舞台を学園から大型クルーズ船へと移し、調教メインのVIPルートと輪姦メインの潜入者ルートの2種類のルートで多彩な陵辱シーンを揃えている。

主人公・藤ヶ崎 美帆は親友の守部 潤と共に父親が船長を務める大型クルーズ船「ノーザンライト」に短期アルバイトとして乗船する。アルバイトながら楽しいクルージングになるはずが、ノーザンライトに同乗したVIP客の染谷と、ある任務のため暗躍する元傭兵の戸澤によってそれは悪夢の日々へと変容する。

VIPルートの陵辱者である染谷はその権力を活かしてヒロインたちの弱みを握って脅迫し、VIPルームに用意された特製のSM部屋で薬物と玩具でもって身体を嬲り倒す。

潜入者ルートの陵辱者である戸澤は2人の部下を侍らせ、性差と数による暴力によってヒロインたちを蹂躙する。

もちろんどちらかのルートに突入するとそこからは怒涛のエッチシーンが始まるのだが、本作は最初のシーンまで1時間近くの尺をとって美帆を中心としたヒロインたちのキャラ立てに徹している

特に主人公である美帆については父親思いの良き娘として丁寧に描写され、是非とも幸せになって欲しいという好感を抱かせてからの……無慈悲な処女喪失レイプ! 焦らし無しで一気に地獄に叩き落す、最低で最高な展開。本作において特出したシーンとして挙げたい。

しかし、その特出した最初のエッチシーンを頂点に本作の面白さはエンディングまで基本下り坂。その理由は二つある。

理由その一。複数原画家故にクオリティにばらつきがあり、メインヒロインである美帆と比較すると他ヒロインの一枚絵はどれも一段落ちるため。特に本作は共通ルートで美帆のシーンがいくつか続いた後に他ヒロインルートへ分岐する構成なので、その落差を余計に意識させられてしまう。

理由その二。ストーリーを進めるほどに大型クルーズ船という舞台を活かしきれていないことが露呈してくるため。本評冒頭に書いたように舞台設定として巧いチョイスだったのは間違いないが、その性質――他の客と同乗している、20日間というタイムリミットなど――がシナリオやエッチシーンにあまり効いておらず、ひたすら単調。特に侵入者ルートは似通った構図とシチュエーションの4Pが連続するため早々に飽きてしまう

そんな中、VIPルートのひとつである潤ルートは一人健闘している。親友である美帆を救うためにその身を差し出すというシチュエーションに始まり、陵辱者である染谷側にある変化が訪れるという捻りがシナリオにもエッチシーンにもプラスに働いており最後まで楽しめた。

舞台良し、キャラ立て良しで序盤から期待させられるが、中盤からの怒涛のエッチシーンの連打が単調で飽きやすい作りになってしまっているのは抜きゲーとしていまひとつ感は否めない。もちろん、個々のシーンを単体で見ればその多くは及第点を与えられるクオリティだし、単調さを回避する工夫が見られた潤ルートはかなり面白いので、ポテンシャルは十分にあったと思うのだが。

最後に購入者特典の『男たちにひたすら蹂躙され尽くすパッチ』について少し言及すると、本編では最後にしか描かれない調教完了済みのヒロインたちの輪姦シーンが描かれる。本編にはないコスプレや複数ヒロインによる乱交シーンなども収録されており、この特典が無くともフルプライス分のボリュームがあるとは言えやはり物足りなさは感じるだろう。

本評の投稿時点でダウンロード期間が完了しているため、本作を購入するつもりならばいずれ発売されるであろう新作との抱き合わせ版かリメイク版の発売を待つのが良いだろう。

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