NO MORE 時間泥棒 – 『Kenshi』をプレイ

はじめに

Steamで販売されているインディーズゲーム『Kenshi』をプレイ中。

プレイ時間はすでに200時間を超えてしまった。うっかり。

30時間ほどプレイした段階で「こんなにハマったゲームは他になかなかないから、一段落したらブログにまとめよう」と思っていたのだが、まだまだ一段落する気配がないため、プレイ進捗としては中途半端な身ながらもその強烈な面白さをここに書き記したい。

『Kenshi』とは?

『Kenshi』はイギリスのLo-Fi Gamesが開発した一人用のロールプレイングゲーム。

広大な大陸を舞台に、冒険をしたり、鉱物を集めたり、交易をしたり、窃盗したり、仲間を増やしたり、農耕に励んだり、拠点を築いたり、戦争したり、奴隷になったり、食われたりする。
つまりは自由を謳歌するゲームだ。

本作はクリス・ハントさんが2007年頃から開発をスタートし、Steamでは2013年から早期アクセス版を公開、それから5年以上に渡るアップデートを経て2018年12月に正式リリースされた。
最初の6年間はハントさん一人で開発し、以降も少数精鋭で開発が続けられた本作は、まさにハントさんの才気と執念の結晶だ。

タイトルに日本語の「剣士」が用いられているのは映画監督・黒澤明の作品に影響を受けてとのこと。
本作はあくまでハントさんが自分で楽しむために作られたものであり、いわば一人の才人の頭の中にある世界が完璧に近い形で具現化された作品であると言えるだろう。

『Kenshi』のここがハマる

ザ・オープンワールド

本作はオープンワールドである。

ゲームを開始すると初期設定とキャラクリエイトがあり、それが終わるとこれ以上ないくらいの素っ気なさで広大な世界に放り出される。

キャラクリ直後、いきなり直立するキャラクターと世界が視界に広がる。
なんの会話もなく、なんの目的も提示されずに。

初回プレイ時はチュートリアルのTipsがプレイヤーの行動に応じて随時表示されるが、それも画面左側に慎み深く表示されるだけで読むことを強制されることはない。
それをじっくり読み込んでもいいし、無視してもいい。それすらプレイヤーの自由なのだ。

さあ、これから何をしよう。

最弱からの育成

そもそも、私は何ができるのか。

その答えはキャラクターのパラメータを見ればわかるだろう。
「能力」タブをクリックすることで確認できる。

各パラメータにカーソルを合わせると下部に説明が表示される。
「運動能力」はまっさきに上げたいパラメータのひとつだ。

思わず視線が迷子になりそうなくらいの項目数が並ぶが、間違いなく言えることはその全てが初期値であるということだ。

『Kenshi』の世界ではプレイヤーキャラクターはまったく特別な存在ではない。
はじめたての初期パラメータでは子ヤギ一匹にも敵わない貧弱さだ。

しかし、そんな最弱なキャラクターも育成することができる。

これだけパラメータがあるだけあって、基本的に何をやってもプレイヤーキャラクターは経験値を得ることができる

例えば、単に移動するだけで、走行速度に関係する「運動能力」のレベルが上っていく。
例えば、敵から攻撃を受けることで、ノックダウンしにくくなる「打たれ強さ」のレベルが上っていく。
例えば、遠距離武器で誤射することで、誤射する確率を抑える「精密度射撃」のレベルが上っていく。

とりあえず、自由に何か行動してみよう。
そうすれば、おのずとキャラクターはその行動をとりやすくなっていく。

この手のパラメータがみるみる上昇していくタイプの育成ゲームが好みな私はまずまっさきにこれらのレベルを上げていくことにハマったのだった。

タスクの爆発的増加

パラメータを上げるべく色々なことを試して、なんやかんや資金が集まってくると、新しいことにトライしたくなる。

パラメータには「鍛冶(武器)」というものがある。どうやらこのパラメータを上げれば店売りの武器よりも強い武器を作り出せそうだ。
ところで、鍛冶ができるようにするにはどうすればいいのだろう?

鍛冶ができるようにするために、まずは鍛冶場を設置する必要がある。
しかし、鍛冶場を設置するためには技術研究をする必要がある。
しかし、技術研究をするためには自前の研究台が置ける建物が必要である。

こうして鍛冶ができるようになるための過程を逆順に追ってみたが、最初にやるべきことはどうやら自分の家を購入することのようだとわかる。

以上のように、自由な生活の中でプレイヤーがある目標を見つけると、その目標を達成するまでに数多くのタスクが発生することが多々ある

首尾よく鍛冶ができる状態まで進めることができた。よし、これで「鍛冶(武器)」パラメータを上げられるぞ。
しかし、鍛冶をするためには大量の「鉄板」が必要だ。
しかし、鉄板を安定的に得るためには鉄鉱石精錬機が必要でその研究をする必要があるし、精錬するためにはそもそも大量の鉄鉱石が必要で……。

……と、このようにゲームの一要素である研究のひとつを進めるだけでも、タスクは爆発的に増えていく。

タスクが増えすぎてプレイヤーキャラクターが一人ではどうにも立ち行かなくなってきたタイミングで、そろそろ人手が欲しくなってくるだろう。
しかし、仲間を増やすにもそれなりの資金が必要で……。

自動化への試行錯誤

タスクが増えてくるといちいち鉱脈まで移動してクリックしたりといった操作が億劫になってくる。

そこで「仕事」機能が役に立つ。
キャラクターにはひとりひとりにタスクを設定することができるのだ。

たとえばあるキャラクターに「機械の操作:鉄鉱脈」のタスクを設定すると、そのキャラクターは自動的に指定した鉄鉱脈まで走り、採掘をし、インベントリがいっぱいになると今度は自動的に鉄鉱石の収納容器まで走ってそれを入れる。
この一連の動作を収納容器がいっぱいになるまで繰り返すようになる。

こうした各キャラクターのタスクを組み合わせることで色々なことが自動化できる。

例えば、
一人目のキャラクターは鉄鉱石を採掘する、
二人目のキャラクターは鉄鉱石を精錬して鉄板を作る、
三人目のキャラクターは鉄板を鍛冶して武器を作る。

上記のタスク設定をうまく組むことができれば三人目のキャラクターの「鍛冶(武器)」パラメータはプレイヤーが操作するまでもなくみるみる上昇していくことだろう。

これだけでも数時間、じっくりプレイした分だけの達成感が得られるはずだ。やったぜ。

過酷な世界

しかしそうは問屋が卸さない。

ここまでのお話がスムーズだったのは、『Kenshi』の世界が平和で理想的なユートピアであったらという仮定を暗に設定していたからだ。
しかし実際はそうではない。『Kenshi』の世界はむしろディストピア……否、デストピアなのである。

仮に、上記のように武器鍛冶の自動化ができたとしよう。
これで自動的にでレベルが上がっていくだろうとプレイヤーが席を離れるとどうなるか?

十中八九、鉄鉱石を採掘する一人目のキャラクターが野盗や盗賊たちの餌食にされて多勢に無勢のままにボコボコにされることだろう。
ノックアウトされた果てに食物を奪われるかもしれない。手足を切り落とされるかもしれない
そして死ぬキャラロストするかもしれない。

『Kenshi』の世界は自由だが、同時になにより過酷なのである。

広大なオープンワールドで…
自分の道を切り拓いていこう

仲間を作り、
商人になる、
盗賊になる、
探検家になる、
農民になる、
反逆者になる、
賞金稼ぎになる、
徒党を組む、

だが、まず…
生き残らなくてはならない

――Kenshi – 正式版v1.0リリース日発表トレーラー より

本作はプレイする人によって十人十色なプレイスタイルが楽しめる、そんな自由度の高いゲームだ。
そして、個人的に本作の一番のハマりどころは、この自由さと過酷さとのせめぎ合いにこそあると考える。

そんな厳しくも美しい、くそったれな世界を旅する

そんな調子で10時間、30時間、50時間と時間を重ねていくにつれて、『Kenshi』世界での生き方を学んでいくことだろう。
生きるのに精一杯という初見ならではの面白さにも慣れてきた頃に、ようやくこの世界はそもそも何なんだろう思いを馳せることになる。加えて研究材料も足らなくなる。

そしたら冒険に出かけよう。
事前に用意されたシナリオや、避けることのできないイベントなんてものはなく、ただただプレイヤーの歩いた道が物語になる。

しかし、あらゆるところにバックストーリーはある。
それは地形や風景といった環境だったり、アイテムのフレーバーテキストだったり、他のキャラクターとの会話だったり、様々なところに周到に仕込まれている。

そんな芳醇な世界観を味わい尽くすためにも、今日も私は冒険しながら、大量のスクショを撮るのであった。

まだ仲間が少なかった頃、夜闇は不安だった。
小規模な勢力を相手に戦争を仕掛けられるまでに発展した。
この世界の天体は不思議だ。
危険地帯では朝焼けも不気味に見える。
遠くに街が見えてくるとホッとするが、油断はできない。
巨大な橋の残骸と、干からびた河。
現在以前の文明については多くが謎に包まれている。
あんな巨大な生命がこの大地を闊歩していたのだろうか。
この世界は、そのすべてを味わい尽くすにはあまりに広すぎる。

おわりに

本記事上部に貼ったトレーラームービーがすごく好きなので、その構成を真似してみた。自由を掲げて、過酷で落とす。

現在一周目のプレイ(つまり二周目もする気満々)も大陸の半分以上は踏破したものの、まだまだ危険な魔境には手がつけられておらず、拠点の整備拡大とトレーニングに明け暮れる。
それだけでも楽しくて日に数時間とか余裕で遊べちゃうやべぇゲームです。

参考リンク

1人で10年作り続けたRPGが日本で突然ヒット!「Kenshi」クリエイターインタビュー – GamesIndustry.biz Japan Edition
[TGS 2018]ついに正式リリースが目前に迫った「Kenshi」。そのデザイナーへ足掛け10年以上に渡る開発の日々を聞いた – 4Gamer.net

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