『クドわふたー』レビュー
by こーしんりょー · 公開済み · 最終更新
"わふー!"
点数 | ブランド | プレイ時間 |
75点 | Key | 約15時間 |
シナリオ | ||
城桐央 | ||
原画 | ||
Na-Ga、樋上いたる | ||
紹介サイト | ||
クドわふたー|Key Official HomePage | ||
備考 | ||
・『リトルバスターズ!』のスピンオフ作品 |
本作は『リトルバスターズ!』のスピンオフ作品。主人公である直枝理樹と、ヒロインの一人である能美クドリャフカとが結ばれたという設定のもとで描かれるIfの後日談。単体でも問題なく遊べるが、元作品に依ったネタもあるので『リトルバスターズ!』を先にプレイすることをおすすめする。
夏休み。男子寮の水道事故により自室が使えなくなった理樹が、女子寮の一室でクドと秘密の同棲生活を始めるところから物語は始まる。
理樹とクド以外のリトルバスターズのみんなは帰省しており、既存のキャラとしては元作品でサブヒロインであった二木佳奈多と、新たに立ち絵を描き下ろされたあーちゃん先輩が活躍する。また新キャラとして「いかにもKeyキャラらしい」天才変人娘・氷室憂希に、クドに負けじとロリぢからを見せつけるリアル小学生キャラ・有月椎菜が登場。どちらも大変いいキャラをしている。
逆を言えばそれ以外のリトルバスターズの面子は一切登場しないので、クド以外の要素を期待してはいけない。なんたってタイトルは『クドわふたー』だ。クドづくしのクド祭りな内容である。ちょっとクドいか。
本作はやや“風変わりな構成”で作品の前半と後半とを明確に分割している。前半はイチャラブを重視したライトな展開で、多くのエッチシーンを交えつつ理樹とクドの和やかな同棲生活を描いている。一転して後半はドラマ性を重視したヘビーな展開で、Key作品らしくプレイヤーの涙腺を攻めてくる。
この前半・後半で分かたれた雰囲気に合わせて、ペットボトルロケットから始まるSF要素もスケールを広げていく。「宇宙」を一つのテーマとしている作品だけあってその手の描写もしっかりしており、シナリオライターの個性が垣間見えた。
「科学」というアプローチで描かれる「奇跡」――こう見返してみると、外伝でありながらもしっかりとKey作品らしさを発揮できた一作のように思う。シナリオ各所に泣けるシーンが配置されており、そういう点では十分合格点を与えられる良作だ。
一方で「Key作品らしさ」を裏切る要素もあり、それはエッチシーンの量だ。ヒロインはクド一人なのにシーン数が15枠という、歴々のKey作品と比較して圧倒的なスコアを叩き出している。
しかし作品の雰囲気に合わせて各シーンともマイルドに描写されており、「抜き」に使えるかと聞かれたら少しパンチが弱い。とは言えクドの幼女体型を強調したエロCGの数々には変態大変興奮した。ごちそうさまです。
音楽面は新人の清水準一が担当(現在は退社した模様)。BGMも『リトルバスターズ!』から一新されているが、どの曲も高いクオリティを維持している。個人的には朝を象徴する日常BGMである『Sunday Morning Dance』がお気に入り。
賑やかな日常に定評があった『リトルバスターズ!』から少しトーンダウンして、全体的に和やかな雰囲気の『クドわふたー』。そのギャップには少し戸惑うかもしれないが、子犬ヒロインであるクドに癒されるというコンセプトに合っている。クド好きなら是非ともプレイしておきたい一作だ。
……お風呂シーンでの一枚絵はアレ、もう犯罪的だよな……。
【関連リンク】
・積みゲー崩し日記『クドわふたー』その1(前ブログ)
プレイ動機、(21)、本作の雰囲気。
・【ネタバレ有り】積みゲー崩し日記『クドわふたー』その2(前ブログ)
大雑把な感想、“風変わりな構成”について。