『麗華の館 ~催眠遊戯への招待状』レビュー
by こーしんりょー · 公開済み · 最終更新
点数 | ブランド | プレイ時間 |
35点 | しすたーそふと | 約5時間 |
シナリオ | ||
内山涼介、本条靖竹 | ||
原画 | ||
きさらぎみゃう | ||
紹介サイト | ||
しすたーそふと公式サイト » 麗華の館 ~催眠遊戯への招待状 | ||
備考 | ||
スノボ旅行の帰りに猛吹雪に見舞われ遭難しかけた茅野 響一と緋芽の兄妹は、豪奢な館を見つける。しかし、その館の持ち主である神楽坂 麗華と瞳の美人姉妹は高級娼婦で、そこは一泊100万円という会員制の超高級娼館だった!
当然そんな料金は支払えない響一たちに、麗華はあるゲームを提案する。それは、基本料金無料で宿泊を許す代わりに、麗華と瞳の誘惑に響一が負けて射精させられたらそれぞれ50万円請求に加えて、妹の緋芽にも射精させられたら100万円を請求というメチャクチャなものだった。
もちろん響一としてはそんな大金を払うわけにはいかない。ましてや、妹に射精させられるだなんて考えられない! そんな訳で引き受けたゲームだったが、麗華による催眠調教の罠に引っかかった響一はだんだんと快楽を渇求するようになっていき……というあらすじ。
もし、あなたが本作をプレイ開始したらまずはオープニングムービーで初めのツッコミを入れることだろう。なんと言っても主題歌の歌詞がダサい(例:「♪夜明けまでには 残り香 on the bed」)! しかも、そのダサい歌詞を堂々とムービー上に表示させるのが輪をかけてダサい、ダサすぎる! 正気かっ!?
しかし、そのオープニングムービーを超えてからしばらくは悪くない流れが続く。まずはストーリーにおける催眠・洗脳の描き方が巧い。果たして一体いつから催眠にかかっていたのか、そもそも麗華が施す催眠にはどれほどの効力があるのか――などといった点が良い塩梅にボカされており、パラノイア的な恐怖を煽ってくる。
また、肝心要のエロシーンもなかなかエロい。受身系Mシチュがメインだが、そこに近親相姦やソフトな寝取られ、レイプなどの要素がピンポイントで入ってきて最後まで飽きることなく走り切ってくれる。
しかし、あなたは中盤の展開で再びツッコミをいれることになる。神楽坂姉妹とのゲームに敗れた響一と緋芽は200万返済のために姉妹のもとで働き始めるのだが、催眠を超えたある超現実的な力を受けて響一の性欲が暴走するという流れ。この超現実的描写があまりにもバカバカしすぎて口あんぐり。正気かっ!?
そして、最後の最後にあなたはやっぱりツッコミをいれるはずだ。本作には、ある大きな「オチ」がある。そのオチ自体がダメだとは百歩……いや、万歩譲って言わないにしても、あの種明かしの仕方はいくらなんでも軽い、軽過ぎる! 「あんなこと」までやらかしておいて、何事もなかったかのように嬉々と種明かしをする様には怖気がした。正気かっ!?
加えて、タイトル画面にて配置される「催眠解除」の文字。これをクリックすると、麗華がプレイヤーにかかった催眠状態を解除してくれるという、どういう気持ちで見ればいいのか分からないシーンが始まる。確かに、本作のエッチシーンでは「あなた」という二人称の語りかけを多用する(このレビューのように)など、いわゆる催眠音声チックなところも多い。しかし、こんなモードまで用意してまで「あなた(プレイヤー)は催眠にかかっています!」と言い張る無茶にやっぱりこう言いたい。正気かっ!?
ここまで正気とは思えない演出を重ねているあたり、このゲーム自体が何らかの催眠にかかっているのでしょう。きっと。
絵に関しては、横顔などに若干の崩れもあるが、テカり強めの塗りが効いていて肉感的なエロさがある。おっぱいの柔らかそう感も強く表現されており好感が持てた。
システム面は現在必要とされる最低限は揃っているようだが、カスタマイズ性が低い。個人的な要望であるが、マウスでテキストウインドウの削除が不可なのはイマイチ。
「催眠」というギミックを用いた展開には確かにちょっとした恐怖と興奮を覚えたが、それ以上に作品自体が正気を疑うほどのツッコミ所だらけという点が何より怖い。タイトルに惹かれて催眠シチュ目当てにプレイするにも、そのシチュエーションに興奮したことを無下にするような終盤の展開に嘆息することになるだろうし、いっそのことツッコミ練習用のホラーゲームとしてプレイするのがオススメ。