『白濁の少女』レビュー
by こーしんりょー · 公開済み · 最終更新
"街の中はキケンがいっぱい!?"
点数 | ブランド | プレイ時間 |
20点 | 縁-yukari- | 約5時間 |
シナリオ | ||
有島悠也 | ||
原画 | ||
浅賀葵 | ||
紹介サイト | ||
白濁の少女(しろのしょうじょ)ホームページ | ||
備考 | ||
いきなり結論だけを言えば低品質である。とりわけテキストの質とゲームシステムの古臭さが厳しく、絵や声の健闘を帳消しにしているため、よほどシチュエーションとの相性が良くなければ本作で抜くのは難しいかもしれない。
ジャンル名を「白濁輪姦系アドベンチャー」と掲げている通り、全シーンがレイプ、そのうち半数近くを輪姦で占めている。
主人公である中田 織香をメインに、五人の登場人物の視点でストーリーが進行する。基本的に、彼女たちの身体を狙う陵辱者たちが順番に現れ、誤った選択肢を選ぶとその陵辱者によるレイプが始まりそのままバッドエンドまで直行という構成。
本作の特徴はとにかく唐突にレイプされてしまうというところにある。モラル感ゼロどころか、今まで捕まらずに生きてこられたことが不思議なくらいに女とくれば手を出すキチガイ陵辱者たちにより、過程なんてすっとばして理不尽極まりないレイプが始まる。
また、ゲームも後半に進むとレイプフラグの立つ選択肢を選べば最後、だいたい10クリック以内にエッチシーンが始まるという性急仕様。その傾向はゲームを進めるに連れて加速していき、究極的には選択肢をクリックしたその次の瞬間、自室からいきなり電車へと舞台を移して痴漢シーンが始まるというアクロバティックな展開をも見せる。
この「唐突に始まる理不尽」は、序盤に提示される登場人物たちの会話にも繋がるところがある点から考えて、本作のテーマであると考えられる。……が、やっぱり制作が間に合わなかったためか出来合いのシーンを繋げて体裁を整えただけという印象が強い。
「唐突に始まる理不尽」といえば、シーンが始まった瞬間に制服から体操服へと唐突に着替えていたり、明らかなレイプフラグの立ったヒロインが何の説明もなくそのルートから退場して理不尽にもエッチシーンが用意されてなかったり、その手抜きな作りのせいでプレイヤーも度々唐突な理不尽に襲われることになる。勘弁して欲しい。
エッチシーンも全体的に短く、回想枠数が60以上とフルプライスとして充分な量を揃えているにもかかわらず、全体のプレイ時間が約5時間と短くて食い足りない。
シーンの傾向としては、先述通りレイプ・レイプ・レイプ! な内容である。腹ボコや性器破壊などの拷問じみたシーンも多く揃えられており、セリフも「ひぎぃ」系の傾向が強い。しかし、効果音や射精エフェクトなどの気の利いた演出も皆無で、どうにも抜きどころが見つけづらいのが辛い。
加えて、システムの劣悪さも指摘しておきたい。特に、セリフのあるテキスト表示時はテキストボックスの削除ができないという謎の仕様にはゲンナリ。もちろんテキスト送り時にボイス継続機能もないので、「テキストボックスを消してCGを眺めつつボイスを聴く」という操作は不可となっている。
ポジティブな点も上げておこう。声優陣は佐倉もも花、片倉ひな、芹園みやなど実力派を揃えているだけあって、堂に入った「ひぎぃ」演技が多い。また、原画担当の浅賀葵の絵も(一部崩れの激しいものもあるが)ここぞというところで抵抗心と絶望感の入り交じるいい表情を見せてくれる。だからこそ、それ以外の要素がオナニーを邪魔するのが憎たらしい。
……冒頭で低品質と結論を提示したとおり、最後にオチに持っていけるようなネタ性もない。笑いも激怒も産まれない、平熱の駄作である。