『てにおはっ!』クリア直後の目で『てにおはっ!2〜ねぇ、もっとえっちなコトいっぱいしよ?〜』公式サイトを見る
すでにげっちゅ屋で予約済みである。
そりゃ大トロは食いたいさ
『てにおはっ!~女の子だってホントはえっちだよ?~』レビューの煽り文で「脂身たっぷりでちょっと握りの雑な大トロ」と書いた。この喩えのイメージはレビューを読んで掴んでいただくとして、私は『てにおはっ!』を寿司で喩えるなら大トロだと断言する。高級なネタであることは間違いない。油ギトギトでちょい雑だが。
そんなワケでとりあえず注文はする。今度は握りがましになっているといいなと期待を込めながら。
とはいえ店からヤバい臭いが漂ってくるようならば考えねばならない。だから『てにおはっ!』を食った直後の目で、『てにおはっ!2』の3月20日時点での公式サイトの情報を洗ってみる。
どんなタイプの続編か
続編モノを作る上でいろいろな手法が考えられるが、本作ではコンセプトだけを踏襲し、舞台やキャラクターは一新するという方針をとった。
エロゲーは作品内で物語が分岐していることがほとんどなため、同一キャラクターによる続編がやり難い(どのルートを正史として物語を続けるか?)という問題がある。別にちゃんと調べたわけではないけれど、「コンセプトのみ踏襲」パターンがエロゲーにおける続編においては大勢を占めるのではないかと予想する。
では、『てにおはっ!』シリーズのコンセプトとはなんぞや? というのを手前味噌ながら私のレビューから引っ張り出すと「全体的な変態性の高さ」、そして「引くか引かないかで言えばギリギリ引いちゃうレベルの下品さ」の二点と考える。
このコンセプトを牽引するのが原画家アマクラの描くこれでもかと肉々しい絵柄だったことから、もちろん新作でもアマクラを続投。原画家の作風に重点が置かれた作品だけに、シナリオライターの変更は(実力がさほど変わらないならば)大きなマイナスにはならないだろう。
かなり前作を意識した設定
公式サイトのトップページを見た瞬間に「まんまじゃねーか!」と思った。
ヒロインである三人娘。その雰囲気が前作の三人娘とかなり似ている。実際にキャラクター紹介を見てみると明らかに前作に寄せていると思える記述も見られる。
同級生の女友達、ロリ系毒舌な後輩、悪だくみが好きなエロい先輩――完全に一致。サブヒロインを見ても、その時代のちょっと先鋭的な流行り属性持ちをそれぞれ採用しており、前作では男の娘を、新作ではぽっちゃり系を配置している点で一致。
極めつけはボイス。もちろん声優は変わっているが、サンプルボイスを聴いた感じだと演技のテンションも前作のヒロインにかなり近い印象がある。同一コンセプト、かつ似たようなキャラクターという構成で、下手をしたら前作と手触りが変わらないとなるとそれが「飽き」に繋がりそうな気もするが、どうなるか。
男友達ポジションは残念イケメンから残念マッチョへ。個人的に前作最大のマイナスポイントだった、男友達の触手好き設定が滑ってる上に下手に茶化されているようで触手好きとして不快という点については、今回はより広く「二次元オタク」とすることで回避されそうな気もするが……前作のギャグのテンポの悪さを引きずるようならばマッチョネタが相当ウザくなりそうなのが恐い。
ボリュームアップ
続編の基本としてボリュームアップを強調している。
特にCG枚数。前作80枚から100枚へと増加。加えて本作からワイドスクリーン対応で解像度もアップ。絵に関するコストは数字以上に増加していると考えられる。
もちろん、増えた分のボリュームは変態プレイ増強方向に向けられているようだ。変態プレイは前作で大体やり尽くした感があるものの、漏れていたプレイの一つとして「鼻フック」の存在をサンプルCGで確認。好き嫌いは分かれそうだが(そもそも好き嫌いが分かれそうなプレイを沢山やるタイトルだが…)、個人的には超好きなプレイなのでこれは嬉しい。
また、前作は一種の「部活モノ」ということでやりやすかっただろうに何故か一つとしてなかったハーレムプレイも完備。加えて、前作ではセンターヒロインの絢美にしかなかった「純愛ルート」/「エロ堕ちルート」のルート分岐がセンター以外の二人にも実装され、より偏った変態プレイが望めるかもしれない。
その代わりに削られた要素として「Hシーン作成モード」がある。かなりの自由度でゲーム内素材を弄れるなかなか完成度の高いおまけだったが、流石に需要はなかったか。
まとめになっていないまとめ
全体的に「前作で評価されたことをしっかりやりますよ、それでいてかなりボリュームアップしていますよ」というメッセージを強く発しているように思う。
個人的に、前作はキャラクター描写の大きな減点さえなければ+15点は狙える「傑作になりそこねてしまった佳作」と評価した。キャラクター造形は前作にかなり寄せているので同様の不安は残るが、シナリオライターは変わっているので日常シーンのテンポの悪さが解消されていれば今度こそ傑作を狙えるかもしれない。
ま、結論としては最初に書いたように「それでもやっぱり大トロ食いてえ!」なので、これを投稿した後に回転寿司にでも行きますよ。