『少女魔法学リトルウィッチロマネスク editio perfecta』レビュー

"ブランド名を掲げた一作。「ちいさなまほうつかい」を中心に描かれるほのぼのファンタジー"

点数ブランドプレイ時間
100点Littlewitch約45時間+α
シナリオ
大槍葦人、桐月、沢柾機、田中一郎、奈落ハジメ、卯月桜、北川晴、木村ころや、日暮清治
原画
大槍葦人
紹介サイト
少女魔法学リトルウィッチロマネスク editio perfecta
備考
・ゲーム性(育成SLG)有り
・2005年7月29発売『少女魔法学リトルウィッチロマネスク』に追加要素(フルボイス化、FDシナリオ、新規シナリオ)を足した完全版

萌え殺された。

本作は大魔法使いの主人公が二人の少女を一人前の魔法使いに育て上げる育成SLG+ほのぼのファンタジー日常系四コマ漫画的エロゲー。30秒~5分ほどの短いエピソードを大量に用意し、育成ゲームパートと交互に展開することでテンポよくストーリーを展開する。

基本的に日常描写が続く内容のため、ルートが確定するまでストーリーに起伏がほとんど生じない。そんな日常モノの弱点をそこそこ熱中できる育成ゲーム要素で上手く補うことで、日常系四コマ漫画の良いとこどりに成功していると感じた。

その日常描写は舞台となる黒の塔での生活やアリアカヤが取得した魔法に絡んだもの、また国中を舞台とした小さな冒険を行うクエストなど、ファンタジー世界を活かしたものとなっている。

ルート確定後のシナリオはどれも駆け足気味ながらも、どれも綺麗に落とし所をつけており納得できる出来。ただ、カヤルートだけは少し異色。

カヤルートは物語全体の大きなネタばらしを含み、かつどのシナリオと比べても重みがある。カヤルートは基本的に最後の方に回した方が良いだろう。もっとも、育成パートがフラグとなっているため初回プレイでカヤルートに入るのは難しい。

システム面ではリトルウィッチご自慢のFFD(フローティングフレームディレクター)システムを使用。しかし前作『Quartett!』や前々作『白詰草話』のように全編を漫画のコマのように動かすのではなく、基本的には立ち絵に吹き出しのテキストウィンドウを合わせた演出を見せる。

FFDをフルに活かした画面内を賑やかに動き回る演出ではなくなったものの、大量の立ち絵と吹き出しの使い方が巧みで、フォントに至るまで細かく設定してある辺りその労力は計り知れない。しかもその立ち絵がどれもこれも可愛いものばかり。ノックアウト必至。

演出の一環として、会話以外の地の文がほとんど描写されていない。そのため話の流れが速く感じる一方、逆にいえば地の文がなくとも立ち絵と吹き出し演出だけで大体が描き切れていると言うこと。テキストには必要最低限の情報だけを載せ、この世界を視覚と聴覚で堪能させる。確固とした美学を感じる工夫だ。

そんな演出をベースに主として描かれるのは、物語ではなくキャラクター。本当に全てのキャラが魅力的で、自分がこのゲームにドハマりしたのもこの温かいキャラ達に導かれたからといっても過言でない。アリアとカヤなでなでしたい。

その他の要素もキャラクターを包みこむゲームの雰囲気を上手く盛り上げる。音楽面はもちろん、システムも全体的にお洒落で使いやすい。どっぷりとこの世界に浸ることができる環境が整っている。

エロゲーは第一にキャラクター。自分の求めるエロゲー像にドンピシャリな一作だった。最高の雰囲気ゲーにして、最高のキャラ萌えゲー!

育成ゲームなど、独自のシステムを採用しているので気になったらまず公式サイトから体験版をDLしてみるとよいだろう。是非ともアリアとカヤ、二人の可愛い弟子を一人前の魔法使いに育て上げてください!

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