『狙われた女神天使エンゼルティアー ~守った人間達に裏切られて~』レビュー
by こーしんりょー · 公開済み · 最終更新
“輪姦不足への飢えと渇きにはこの一本”
点数 | 発売日 | プレイ時間 |
75点 | SYRUP -many milk- | 約20時間 |
シナリオ | ||
倉嶋秀二、フレーム、野之 | ||
原画 | ||
つくもかずいた | ||
紹介サイト | ||
シロップ OFFICIAL WEB SITE.|狙われた女神天使エンゼルティアー | ||
備考 | ||
正義の変身ヒロインは、派手な変身シーンと必殺技を叫んで発動するケレン味さえあればキャラが立つ。そんな彼女たちにどんな悪をぶつけるかで、作品の方向性――とりわけ陵辱内容が決定する。
そこで本作は、彼女たちが助けた人々がその内に抱える性欲をぶつけることとした。それは純粋悪である魔族すらも感心するどす黒さでもって、女神天使であるエンゼルティアーとホーリールージュを絡めとる。
そんな訳で、輪姦凌辱にかなり特化した変身ヒロイン凌辱モノ。愛すべき正義のヒロインを、その手で汚そうとする個性豊かな屑市民たちが大活躍。
本作の大きな特徴として、まずは満腹必至の大ボリュームさを上げたい。120枠を超える回想シーン、その全てが容赦の無い凌辱エロ。
凌辱対象であるヒロインも3人に絞り、一人のヒロインを徹底的に犯し、汚すことに特化している。特に主人公にしてメインヒロインである舞島優理/エンゼルティアーのシーン数は全体の半分以上を占めており、その純粋な正義感でもって闘う清楚な彼女のキャラクターがツボならば大いに満足できるだろう。
エンゼルティアーと比べるとそれぞれ半分ずつの分量になるが、戦闘ヒロインとして先輩にあたる静海涼音/ホーリールージュと、優理の友人である倉澤杏もキャラクターとしての魅力は負けていない。特に杏は、その厳しい性格と正義感から凌辱者への抵抗を見せるも、性差と数とで組み伏されてしまう様はレイプ感が強く出てて興奮した。
凌辱シーンもただシチュエーションだけに頼ったものではなく、そのシーンならではの工夫を凝らして作りこまれたものが多いのも好印象。分かりやすいところでは、
・変身ヒロインものということで少数ながら存在する触手・異種姦の容赦の無さ。
・精液は勿論、描きこまれた液体表現。特に泡だった唾液の表現。
・性欲処理の役を負ったヒロインの前にずらりと並ぶ男たちを描くことで絶望感を可視化。
などなど、各々のシーン単体で評価したいポイントが多々ある。
更にはいわゆる即堕ちという展開もなく、各ルートともじっくりと、しかし確実にヒロインたちが堕ちていく過程を描くことに力を入れていたように感じた。正義の戦闘ヒロインということで安易に快楽堕ちへと流れることなく、敗北による絶望と諦念から抵抗する力を喪っていく姿がたまらない。凌辱モノの有終の美とは、レイプ目で飾るものである。
このように輪姦凌辱ドカ盛りな本作だが、その一方で属性(シチュエーション)特化+大ボリュームというコンボが生み出す負の側面も……。
なんと言ってもさすがに飽きる。輪姦紳士を自称する私をもってしても、プレイ終盤では食傷気味だった。若干ルート毎にシーンの差別化をしようという意思は見られるが、それが足りないように感じる。
そもそもヒロインが三人とも巨乳という類似性を持っている。それに重ねて、膣内射精されるときに妊娠忌避からくる台詞が非常に多く(その割にボテ腹は少ない)、ワンパターンに感じてしまう。
とりわけ敵である魔族の一人、ギルドール戦からの分岐は、どれも助けた人たちへの強制奉仕から段階的に行為がエスカレートしていくという流れで重複しており、ただ凌辱者が変わっているだけという印象を拭えない。
AV女優落ちルート、風俗嬢落ちルートなど、ルート全体が少々変わった趣向のものが総じて良かったので、プレイ内容が被るシーンはできるだけ避けて、マニアックなシーンにもう少し割いてほしかったというまとめになるだろうか。少なくとも、複数のヒロインが同時に輪姦されるシーンがほぼ皆無なので、その辺りは欲しかったなと。
絵に関してはシーン数に合わせて差分含め非常に多く揃えられている。フェラの口部分アップなど、汎用カットインはいくつかあるものの、シーン総数に対してCGの使い回しが少ないことは評価したい。クオリティ面に関しては、特に光と影に気を使った塗りの貢献を大きく感じた。
声優陣の熱演も光る。複数の、気持ちの悪い男たちに責められている、その嫌悪感が感じ取れる演技がたまらない。個人的には、杏を演じる成瀬未亜のえずき演技が最高だった。ピー音なしも嬉しい。
総合すると、旨くて量もたっぷりならばこれ以上望むべきものもなし――と言いたいところだが、この手のドカ盛り飯にはもう少し飽きない工夫が必要だということを再確認させられた。とは言え単純に高クオリティ+大ボリュームである事実は揺るがないので、昨今不足気味の凌辱系のエロゲーに飢えているならば、輪姦マシマシの本作を買えば値段以上に腹を満たせることだろう。