とにかく観やがれ – 『シン・ゴジラ』を観る
ネタバレ無しで、ざっくりと。
傑作です。なんてことは誰でも言えるので、私がどういう立場からこの作品を「傑作です」と述べているのかというと……。
私はここ4年ほどで映画にハマった駆け出しです。幼少の頃に平成ゴジラシリーズを映画館で観たという記憶はありますが内容は憶えていません。
記憶の連続性がある中で観た怪獣映画といえば『パシフィック・リム』とギャレス・エドワーズ監督版『GODZILLA ゴジラ』の二作しかない。
庵野作品もまともに観たものはなく、辛うじて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を仲間内笑いながらテレビ鑑賞した程度。
それくらい前提知識がない人間でも、とにかく楽しい映画です。
もうあまりに楽しすぎて完全に言葉が出ない。嬉しい。
— こーしんりょー@SpiSignal (@KO_SHIN_RYO) 2016年7月30日
2011年、東日本大震災と原発事故という非日常を生きた記憶を強烈に刺激させられる風刺的笑いと破壊的映像を前にし、完全に魂を持ってかれてしまいました。
危機的状況を前に混乱を極めた社会状況を綿密にシミュレーションし、かつてテレビやネットでよく耳にし目にした単語が次々と飛び出し、300人を超える超ド級の豪華キャスト陣がゴジラという絶対的中心を囲い熱演を見せます。
そして破壊される日本。絶望しかない光景を前にして、それでも日本を支えるべく戦う人々がいる。
現実対虚構、ニッポン対ゴジラ。まさに日本でしかありえない戦い方でゴジラへと挑む姿はもう、燃えざるをえません。
涙腺の緩い私は中盤の「あのシーン」以降、楽しさを摂取しすぎたあまり泣きっぱなしでした。これは嬉し泣きです。
ずばり、2016年の夏に観るべき映画は『シン・ゴジラ』です。独特のカット割りや早口にも程がある台詞回しの数々、読ませる気のない大量の字幕などに唖然としながら、そんな奇手すらも受け止めてしまえる大怪獣・ゴジラの圧倒的な虚構力にぶちのめされるがいい。