『虜ノ旋律~淫らに喘ぐ処女セクステット~The Motion』レビュー

"『虜ノ』シリーズ第一作目としてシリーズの基礎を築きつつ、少々異色な一本"

点数ブランド発売日
60点Guilty2017-10-27
シナリオ
酒井童人、神無月ニトロ、藤枝卓也、空蝉座、近江千竜、灰田てん
原画
の歯、バイオレットシット、桜路ひよこ、さいもん、八嶋テツヤ
紹介サイト
『虜ノ旋律 TheMotion~淫らに喘ぐ処女セクステット~』
備考
・2015年6月26日発売『虜ノ旋律 ~淫らに喘ぐ処女セクステット~』のイベントCGをモーション化、および早期予約特典適応版。

作品概要

『虜ノ旋律~淫らに喘ぐ処女セクステット~』は本記事投稿時点でGuiltyが隔年ペースで新作をリリースし続けている『虜ノ』シリーズの記念すべき第一作目(先立って姉妹ブランドから発売された『虜ノ契 家族のために身体を差し出す姉と妹』を除く)。
今更ながらプレイして分かったことだが女性主人公視点の陵辱モノのシリーズ原点にしてそのコンセプトはすでに完成されていた。

今回レビューの対象とするのは発売から二年後に再販された「The Motion」版
オリジナル版との違いは一枚絵の動画化と、そして期間限定配信されたシーン追加パッチが適応されている点だ。
シーン追加パッチは一枚絵の枚数にして11枚とかなりのボリュームであるため、今から購入するならばよほどの事情がない限り「The Motion」版がオススメである。

あらすじ

主人公・西園寺 七緒は市立清蓮女学園の弦楽部に属し、気の合う仲間たちと翌月に控えた音楽コンクールに向けて練習に励んでいた。
このコンクールにはピアノの才能に秀でた七緒の妹・舞衣の海外留学が懸かっており、練習にも力が入る。
しかし学園の音楽室は他の部活動との兼ね合いもあって毎日使うことができないのが悩みのタネだった。

そこで幼なじみである鳴神 千弦の兄・奏太の助力を得て、彼が通う姉弟校の帝礼学園の音楽室を借りられることに。
練習環境の確保ができコンクールの優勝目指してますます意気込む七緒であったが、そんな彼女の身体を狙う二組の男の影が――。

日常描写の丁寧な積み重ね

本作はヒロインの最初のエッチシーンに至るまでの導入パートが(いわゆる抜きゲーの中では)かなり長い作品だ。
たっぷり3時間ほどかけて6人のメインキャラクターたちの魅力を引き立てる日常描写が丁寧に描かれる。

弦楽部に所属する6人のヒロインはいずれも音楽好きのお嬢様。
音楽仲間として、そして友人として和気あいあいとした雰囲気の学園生活は見ていて楽しく、音楽コンクールに優勝するというはっきりした目標があるため物語として読み進めやすい。
加えて実在するクラシック曲の引用や、元ネタがありそうな音楽誌やコンクールの名前が自然と会話に出てくるところに音楽好きな女の子のリアリティを感じさせてくれる。

ヒロイン全員に楽器を構えた立ち絵が用意されているところが好ましい。
私のような門外漢からすれば音楽描写にはリアリティがあるように感じた。

そんな日常描写の中で後の陵辱劇を盛り上げるためのセッティングが入念に行われている。

七緒がときおり感じる不審な視線の主と、横暴な態度の帝礼学園生徒会副会長。
二人の男の影がじわじわと七緒の日常を侵食していく様が不穏に描かれる。

さらに、物語開始時点ですでに亡くなっている七緒の母親はある男が執着する対象として陵辱に活かされるため事前に掘り下げられる。
そのためにヒロインの一人である雨宮 椿はその母親と歳の離れた妹(つまり七緒の叔母)として設定されており、他のヒロインたちともまた違う七緒との特別な関係が描かれており面白い。

こうしたやるべきことをきちんとこなしているからこそ、それまでの日常が崩壊してしまってからの痛ましさと悲壮感、そして美少女が理不尽に蹂躙される姿の悪趣味なエロさが際立っているのだ。

ただしひとつだけ導入パートの不満を述べると、途中に挿入されるモブキャラクターの陵辱シーンがあまり効果的でない
最初のエッチシーンまでが長くなることを恐れて採った構成だと思われるが、やはりいきなり登場するキャラクターのエッチシーンはそれまでの積み重ねがないため面白みに欠けるし、それが4シーンもあるためどうしても枠数的に勿体なく感じてしまう。このワンシーンに意外とネームバリューのあるキャストを起用しているといった面白みもあるにはあるが……。
加えて、これらのモブ陵辱シーンが「後々メインキャラクターたちがこういう酷い目に合う」という予告としても成立していないのが痛い。この点は後述しよう。

エッチシーンの虜

それでは肝心要のエッチシーンについて見ていこう。

本作はヒロインたちが理不尽に蹂躙され、抵抗するも最後には快楽に堕ちてしまうまでの姿を描くことに重点を置いている。
快楽に堕ちた後の姿は各ルートの最後にしか拝めないため、堕ちる過程を重視するユーザー向けの作品であると言えるだろう。

以降のシリーズ作品でも踏襲される特徴として、二組の陵辱者を別個に用意することで責め方にバリエーションを持たせている。
今作の場合は片や粘着質なストーカー気質の男、片や女性をオモチャのように扱う男。
主人公である七緒は同時並行に二人の男に犯されることになり、他のヒロインたちはどちらか片方から犯される形だ。このことからも分かる通り、本作のシーン数は七緒に偏っており他ヒロインの倍程度用意されている。

七緒は音楽コンクールの出場、そして舞衣の海外留学を人質に取られて肉体的・精神的責め苦を味わわされる。
二組の男から交互に、毎日犯され続ける様は苛烈だ。それでも妹のために身体を差し出し周囲の仲間たちに悟られないよう耐え忍ぶ。
そんな七緒の普段と異なる様子に気づいた仲間たちからの気遣いや優しさに触れることでなんとか気力を回復させるも、またすぐにその尊厳を弄ばれる。彼女の精神状態は乱高下、心身ともにズタボロになっていく姿はいたたまれなく、だからエロい。

それ以外のヒロインは七緒の身代わりとなって身体を差し出すことになる。
七緒ルートで王道の陵辱劇を繰り広げる分、その他のヒロインのルートには遊びの効いた展開が用意されているものもある。
その中でも特に優れているのが千弦ルート。ルート確定後も千弦に何が起きているのかを見せないまま七緒視点で物語が進行するのが特徴で、何も知らない七緒が千弦が陵辱されている事実にいつ気づくのかというサスペンスを、プレイヤーへの焦らしも込みで展開しており素晴らしく悪趣味。
また、白銀 リリアルートもお気に入り。最後の捨て台詞がお見事。

本作のエッチシーンの全体的な傾向として、1シーンあたりの尺はあえて短めに作られている
これは物語の流れに合わせて短めのシーンをテンポよく矢継ぎ早に展開することでプレイヤーの興奮を継続的に煽った上で、好みのシチュエーションや一枚絵が来たらそこで抜いてくださいといった狙いを感じさせる。
逆に言えば「絶対にこのシーンでプレイヤーに抜かせる!」という気迫のこもったシーンはない。この点は良し悪しというよりは抜きゲーとしてのゲームデザインの好みの問題である。

各エッチシーンを好きな順序で連続再生することができるNMS(抜きメイクシステム)はひとつひとつのシーンが短い本作のような作品と相性がよい。
力の入れどころを特定のシーンに偏らせるのではなく、手数を増やすことでプレイヤーの好みに射精のタイミングを委ねるデザインだ。

また本作以降の『虜ノ』シリーズや他のGuilty作品に触れたことがある方には少々驚かれるかもしれないが、本作は本編中にメインヒロインたちを対象とした輪姦シチュエーションが"ほぼ"存在しない
ここで言う輪姦シチュエーションとは複数の男性が同時に一人、ないしは少数の女性を嬲ることを指す。
"ほぼ"と保険をかけているが、例外はリリアルートにある集団痴漢シーンであり判定に困るところではあるが、挿入までには至らないためここではカウントしていない。

補足すると、導入パートでのモブキャラクターに2枠、そしてシーン追加パッチには七緒に5枠、輪姦シーンが存在する。
モブキャラクターに輪姦があるのだからメインキャラクターにも輪姦があるだろう、と考えるのは自然な発想なので正直かなり歪な作りであると思わずにはいられない。
『虜ノ』シリーズだから、Guiltyの陵辱タイトルだからと、輪姦を期待するとかなり肩透かしを食らうことになるためその点は留意いただきたい。

総括

隔年ペースでリリースされる『虜ノ』シリーズの第一作目にしてシリーズの基礎を築いた重要作。
陵辱ジャンルの抜きゲーながら、丁寧に積み重なれた日常描写が後の陵辱劇にもきちんと活かされておりストーリー・キャラクターの面でも見るべきところがある作品だ。
しかし、本編中にメインヒロインたちを対象とした輪姦シーンがないという、以降のシリーズ展開から思い返してみると少々異色な作品でもあったという点が興味深い。

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