『もっと!孕ませ!炎のおっぱい異世界エロ魔法学園』レビュー
by こーしんりょー · 公開済み · 最終更新
"ブランド処女作なのにシリーズ10作目"
点数 | ブランド | 発売日 | プレイ時間 |
65点 | みるくふぁくとりー | 2018-04-27 | 約15時間 |
シナリオ | |||
川原圭人、あさだ一夜、廃エース12さい | |||
原画 | |||
でらうえあ | |||
紹介サイト | |||
もっと!孕ませ!炎のおっぱい異世界エロ魔法学園 | |||
備考 | |||
作品概要
本作は新鋭ブランドみるくふぁくとりーの処女作……ではあるのだが、実態としては2017年に実質解散となったSQUEEZのコアスタッフが再結集し、2005年発売『炎の孕ませ転校生』に端を発する『炎の孕ませ』シリーズの流れを汲んだ作品である。
(ほとんど意味のない)あらすじ
主人公・匠 炎厨矢(名前変更可)はお風呂のボイラーが爆発したショックで異世界の学園――ユリドラシル女学園の大浴場へと飛ばされてしまう。
その女学園には以前匠と同じ世界にいた幼馴染の魔女天使 英玲奈の他、在籍するのは生徒・先生含め巨乳美少女ばかり。
そこで匠は異世界転移の拍子に身につけたこの世界最上位階の魔法をも凌駕するチート能力・エロ魔法を駆使して、まずはユリドラシル女学園のすべての女性を性的に征服しようと決意するのであった……!
以上が本作の導入であるが、つまりは異世界の女学園でエロ魔法を駆使しておっぱい美少女全員孕ませというタイトルに書かれていること以上でも以下でもない内容であり、つまりは『炎の孕ませ』シリーズになろう系異世界転生ジャンルをミックスさせましたという企画であり、つまりは毎度おなじみいつものSQUEEZ作品である。
異世界ファンタジーという舞台に合わせてヒロインの属性も女騎士やダークエルフ、サキュバスといった定番どころから、ヴァンパイアや雪ん子といった変わり種まで多様に用意されている。
特記すべきヒロインとしてはフィー=キステルミットに触れざるをえない。外見が某スマホゲームのヒロインと酷似している上に属性がホムンクルスという、ギリギリアウトな気もするキャラクターとなっているのだ。
ブランド処女作にして思い切った作品仕様
数え方にもよるが外伝的なミドルプライス作品を除けば『炎の孕ませ』シリーズ第10作目と見ることもできる本作は長らくシリーズを重ねただけのコンセプトの先鋭化が進んでおり、ブランド処女作と思って手を出した一見さんには面食らうところもある。
まずはシリーズ共通の特徴として、ストーリーが皆無なエッチシーン集であることが挙げられる。
「抜きゲーなんて大体そうじゃん」と思われる方もいるかもしれないが特に本作の場合はゲームの進行方法からしてエッチシーン集であることを隠す気がなく、ずらりとヒロインの画像が並んだメイン画面から希望のキャラクターを選択するとエッチシーンが始まるインスタント仕様だ。
シーンによっては行為に至るまでの流れも描かれず「自然な導入」と皮肉を挟む隙きすらないものもある。
また、本シリーズは作品数を重ねるに従って巨乳比率が上がっていく傾向にあったが、本作はついに全登場キャラクターにおける最小のカップサイズがIカップという「爆乳にあらずんば人にあらず」の異世界に突乳(このレベルのしょうもないギャグが連発されるのもシリーズの特徴)。
同じくシリーズ定番のシチュエーションとして母乳、親子丼プレイが挙げられるが、正統派のゲームではシチュエーション作りからして難しいこれらプレイもエロ魔法の力で10人いるメインヒロインすべてに標準装備。
ヒロインもママも母乳ドバドバ、カロリー過多の極みである。「みるくふぁくとりー」というブランド名は伊達じゃない。
以上のようにひたすら「爆乳美少女とどエロいエッチがしたい」という欲望にのみ忠実で、物語やらマップ選択やら好感度やら常識的な感性といった面倒なことはすべてエロ魔法の一言で片付けてしまおうというパワープレイを成し遂げたのが本作である。
結局「エロ魔法」とは何なのか?
そんな思い切った作品仕様を可能にしたギミックである「エロ魔法」であるが、正直完全クリアした今となってもそれがなんなのかよく分からない。
作中の描写によると「エロ魔法」とは単一の魔法ではなく、匠が欲求不満やエロ事を妄想した時に深層心理から降臨してくる魔法全般のことを指し、その多くはクダラナイにも程があるダジャレな名前が設定されている。
それらの効果を列挙してみよう。
- 基本的な共通効果としてヒロインは発情し、衣服が脱げ、母乳を分泌するようになる。
- ヒロインの胸が更に大きくなる。
- ヒロインの心の声が聞こえるようになる。
- 風呂やトイレといったヒロインのプライベート空間にテレポートする。
- 戦闘中の相手モンスターがエロ攻撃を仕掛けてくる。
- 水晶越しにヒロインの自慰を透視する。
- 空飛ぶマジックちんぽやマジックハンド、マジック舌を駆使して恥部を弄れる。
- 椅子やコタツ、はたまた他ヒロインに変身したり、ショタ化する。
- 教室など公共の場でおっ始めても他の人物が気にしなくなる。
- 宿屋をすべてラブホテルに変えてしまう。
つまるところはご都合主義を発動させるための舞台装置であり、そしてこの項目は単に作中にどのようなシーンがあるかの紹介である。
エロ魔法の効果自体は結構被りもあってプレイ終盤はネタ切れ感もあったが、エッチシーンのシチュエーション量としては一本のフルプライス作品として十分豊富に揃えられている。
総括
『炎の孕ませ』シリーズがもともと抱えているご都合主義テンプレートに、「異世界転移展開」というまた別のご都合主義テンプレートを掛け合わせるのはやはりやり過ぎということだろうか。
ここまで支離滅裂で飲み込みにくいシナリオは他ではなかなかお目にかかれないレベルである。
バカゲー色の強い抜きゲーである以上は頭ではなく下半身に従ってプレイすることが推奨される作品であることは間違いない。
しかし、それにしても僅かばかりも脳みそを使っていないノリと勢いだけの展開と、主人公が常時放つ高いテンションと寒いオヤジギャグの数々はキツくなかったといえば嘘になる。
とは言え肝心要のエッチシーンについては爆乳美少女たちとの濃厚エッチという一点突破で最初から最後まで高い質を維持している。
ストーリーがない以上やはりヒロインに対して抱ける愛着はどうしても弱くなるが、構図や塗りを含めた圧倒的なビジュアルの強さでその弱点をカバーしており、かつメインヒロインには漏れなく一回ずつアニメーションシーンがあるといったサービス精神も嬉しい。
エッチシーン周りで若干気になった点を挙げるとすれば、膣内射精にも関わらず精液が勢いよく周囲に飛び散るような描写がされており中出し感が絵的に弱いことと、ヒロインに依らず呂律の回らない台詞回しに偏りすぎている点などがあるが、これらは好みの範疇だろう。
とりあえずは絵柄とキャスティングにピンと来るものがあれば抜きゲーとして一定の満足感は得られることは間違いない。
個人的な話になるが、みるくふぁくとりーの次回作はもう一切脳みそを使いたくない、それくらい疲労困憊しているときに手を出そうと思う。