『清楚で真面目な彼女が、最凶ヤリサーに勧誘されたら…?』レビュー
by こーしんりょー · 公開済み · 最終更新
"I MAKE GOOD BABIES"
点数 | ブランド | 発売日 |
35点 | frill | 2016-05-27 |
シナリオ | ||
巽ヒロヲ | ||
原画 | ||
伊倉ナギサ | ||
紹介サイト | ||
清楚で真面目な彼女が、最凶ヤリサーに勧誘されたら…?|Frill official website | ||
備考 | ||
作品概要
清楚で真面目な彼女が、最凶ヤリサーに勧誘されたらいったいどうなっちゃうのか。
タイトルがほぼそのままあらすじであるため楽させていただくが、そういう話のロープライスの抜きゲーである。
清楚で真面目な彼女の名前は及川 美羽。高校最後のクリスマスではじめての彼氏ができたばかりの女の子。
大学生になって一人暮らしを始めた美羽は高校時代に打ち込んだテニスを続けようと大学のテニスサークルを探している折、ラブオールを名乗るテニスサークルの代表であるジュンに騙される形で新歓に連れ込まれ、特性のアルコールドリンクで酔ったところをレイプされてしまう。
その場で撮られた写真を握られてジュンの言うことを聞かざるを得なくなった美羽は、ラブオールの面々により様々な辱めを受けることとなる。
「清楚で真面目」なだけでは退屈
主人公である美羽は「清楚で真面目」とタイトルに形容されているが、それ以上でも以下でもない薄いキャラクターだ。
それを「普通の女の子」といえば聞こえはいいかもしれないが、脅迫されて受け身で抱かれるばかりで主体的な動きが少ない彼女は魅力に欠ける。
そうとなればシチュエーションで魅せてくれるしかなく、例えばテニスプレイヤーという属性を活かして、写真の削除を賭けてポイントを取られるたびに脱がされるテニス試合シーンなどはこのキャラクターならではの面白いシーンである。
しかし、そういった序盤の抵抗に失敗して心が折れてしまってからはキャラクターとしての特色があまり出てこず、はっきり退屈である。
主人公の美羽が目当てとなると、よほどビジュアルが好みか、CV担当の風花ましろさんのファンでないと厳しいだろう。
ヤリサーといえばテニスサークル
ある意味もう一組の主人公である、ラブオールという名のヤリサー=陵辱者たちは、いかにもチャラくていわゆる「ウェイ系」な脳みそが下半身の学生集団だ。やたらと美羽にピースをさせたがる寒いノリはいい意味で雰囲気が出ている。
彼らが好きなことと言ったらもちろんセックスと、そして王様ゲームだ。物語の前半、王様ゲームで美羽がイカサマにはめられるという展開がやたらと繰り返される。ヤリサーといえばな定番シチュエーションかもしれないが、ややマンネリに感じた。
とはいえ仲間同士で女を輪姦し合う愉快な奴らである。中盤、一人抜け駆けして美羽を調教していた部員に対しても「女を撃つときは、輪姦が基本だろーが!」と叱咤はすれど、それでサークルが崩壊することはない。彼らの固い結束が見て取れる心温まるエピソードである。
寝取られる側の視点の欠如
ところで、本作はタイトルからしていかにもNTR作品でございという面構えをしているが、個人的にはいまいち寝取られ回路が作動しない作品であった。
というのも本作は美羽の彼氏=寝取られる側の男性である雅裕の視点がほとんどないからだ。
ほぼ全編が美羽の視点で物語られるため、「彼氏持ちの女が陵辱され、堕とされる」という構図だけがあって、それが寝取られとしてうまく機能していないのである。
最後の結末も含めて鬱勃起することもなく終わる作りになっているため、寝取られ作品として手を出すと拍子抜けするだろう。
総括
各々のエッチシーンの質自体は悪くない出来だが、とにかくヒロインの魅力の弱さが大きな欠点。
「清楚で真面目」、そして主体性のない流されがちな彼氏持ちのヒロインが、ヤリサーに騙されてズブズブの関係になっていく様が描かれるという点では面白くなくもない。
しかし、安易に流行に乗って寝取られをタイトルに臭わせた結果、事前に思っていた作品と微妙に違うといった事態になりかねない危険物である。購入の際はその点に注意されたし。